VOL.415 2019年9月20日(金)発売 「We all have Art. 次代のアジアへ――明滅する芸術(アーツ)」
今号「We all have Art. 次代のアジアへ――明滅する芸術(アーツ)」は、前々号(vol.413)「Flood of Sounds from Asia いまアジアから生まれる音楽」と題した音楽特集、そして前号(vol.414)「Self-Fashioning from Asia あらかじめ決められない流儀(スタイル)へ」と題したファッション特集に続く、アジア三部作の完結編となります。
特集では、ノーベル文学賞作家、ル・クレジオの未翻訳小説『ビトナ、ソウルの空の下』の特別抄録にはじまり、世界的大ヒットを記録している『三体』シリーズを手がける中国SF界の巨匠、劉慈欣(リウ・ツーシン)の自宅インタビュー、さらにここ日本でも注目を集めている韓国の文学/現代詩と社会との関わりについて、関係者たちをソウルで現地総力取材。
現代美術では、「ドクメンタ」のアーティスティックディレクター就任が決定したインドネシアのアートコレクティブ<ruangrupa>を中心にジャカルタの「コレクティブ性」についての考察、紛争とテロが絶えないタイ深南部・パタニーの知られざるアートシーンのルポルタージュ、マニラ「SILVERLENS」を筆頭に強固な階級社会に遍在するフィリピンのアートクリエイティブ概況を現地レポートしています。
ほかにも映画作家集団〈空族〉とともにカンボジアとラオスのフィルムメーカーたちを訪ねた企画や、「逃亡犯条例」改正案反対デモに揺れる香港では現代香港社会における若手映画監督たちの実践をフィーチャー、台湾舞台芸術や中国現代写真・独立出版、ベトナムの大都市ホーチミンに勃興するビジュアルカルチャーなど、さまざまな切り口から現代アジアの”いま”に迫った総力特集です。